手紙の効果
皆さんが最近手紙やメッセージカードを書いたのはいつでしたか?
日本人にとって馴染みのある年賀状の発行枚数も2003年の44億6千万枚をピークに、2017年は25億8千万枚と減少の一途だそうです。
多くはありませんが手元に届く年賀状を見ると、元々何かしらのデザインがプリントされた年賀状にひと言直筆のメッセージを書く方が多数派、もしかしたら全てパソコンで作成して肉筆の部分はない、という方もいるのではないでしょうか。
また、パートナーがいる方は誕生日やクリスマスなどの記念日にプレゼントを贈る時、メッセージカードを添えているでしょうか。そういうのはちょっとがんばり過ぎな気もする、正直面倒に感じる、照れ臭いなど、理由はともあれこちらも減少傾向なのではと感じています。
何かの折に付け手紙を書く方のことを筆まめと言いますが、最近の主流はもっぱらメールまめ、LINEまめ、もしかしたらインスタまめ、なのかも知れません。
そんな風潮に反して、ここではあえて手書きの手紙を書くこと、それも何でもない日常の、ふと思い立った時に書くことを、特に恋愛関係においてお勧めします。
- 1. 手紙に対する抵抗感はまず、時間がかかることでしょう。
- 2. 次に抵抗感があるのは書き文字に自信がないことでしょう。
- 3. もうひとつは、お相手のために使っている時間を印象よくアピールできるからです。
- まとめ
目次
手紙に対する抵抗感はまず、時間がかかることでしょう。
手紙や文章を書き慣れていないならなおのこと、何から書き始めたらいいのか、どんな言葉で結んだらいいのか、そもそも何について書いたら良いのかで最初の一文字を書くのにも悩むことになるはずです。いささか乱暴かも知れませんが、まず書き始めてしまうことが一番の近道です。
メールやLINEと同じように「元気?」の一言から始まって、昨日会社の飲み会でちょっといい店教えてもらってさ、今度一緒に行きたいと思ってるよ、こんな感じで全く問題ありません。
唯一違うことはその場でお相手の返事がないことです。ですからその先は少し考えて、ひとりで話題を展開しなければなりません。
もしも本当に何を書いていいか分からない、慣れていないうちはあまり悩まず、そこで結んでも大丈夫です。短い手紙を短信といいますが、それでも書いてみることが最初の一歩なのです。
次に抵抗感があるのは書き文字に自信がないことでしょう。
やはり字がきれいな方というのは知性を感じさせますし、その逆も然りです。しかし、普段からお付き合いしているパートナーですからお互いの知性のほどはある程度分かっているはず。丁寧に、読む相手のことを考えて読みやすい文字を書けば何ら問題ありません。
それでもどうしても、という方は折を見て文字の練習をする他ありません。最近では大人向けのペン字練習ツールも多く出ていますのでこの機会にきれいな文字を習得してしまうのも大いにアリではないでしょうか。
それらの手紙はまだちょっとハードルが高い、と感じる方はせめてプレゼントにメッセージカード、年始には年賀状をしたためるようにしてみてはいかがかと思います。
メッセージカードは添え物ですから、いつもありがとう、とか、これからもよろしく、これだけで充分です。
なぜこんな風に手紙をお勧めするのかには理由があります。
まず、多くの方はお付き合いの先に結婚を考えることがあるかと思います。イメージして頂きたいのですが、単なる恋人から家族になるとフォーマルなお付き合いが増えます。その時に手紙のひとつも書いたことのない方より、節目節目で礼儀正しいお相手の方が断然安心感が違います。
お互いのご両親とも、お友達のように仲良く出来れば理想的ですが、お付き合いが始まるにあたって「最低限ちゃんとしている人」という印象は、言うまでもなく自分の立場を楽にしてくれます。
もうひとつは、お相手のために使っている時間を印象よくアピールできるからです。
手紙の内容でカッコいいことや愛の言葉を並べる必要はありません。いつもちょっと思っていることや感じたことを、お相手のために時間を割いて形にするという行為そのものが愛情表現なのです。ですから逆に、具体的な言葉で愛情表現を盛り込んでしまうと「重い」愛情となってしまいかねません。内容は本当に他愛のないことでいいのです。
それでもなお手紙を書くことに抵抗のある方は試しに一度、書いて渡してみてください。数週間経ってお相手がそれを大事に持っていてくれたなら、愛情はちゃんと伝わっています。
恋愛というのはお互い照れ臭いことをたった二人で共有する関係そのものなのです。しかしながら日常的に愛してる、あなたは素敵だ、なんてなかなか言えるものではないでしょう。
千年以上も前から、日本人向けの愛情表現は、例えば「夏の夜っていいよね、遠くで蛙の声がするよ」とかいう短文の裏に、その情景を一緒に共有したいよとか、あなたのいない夜は静かだよとか、そういう心の機微を秘めるのが大人のオシャレとされているのです。
まとめ
初めは業務連絡のような、ひとりタイムラインのような微妙な文章かもしれません。それでも何度か書いているうちにそっと愛情を、恋心を忍ばせられるようになるはずです。なぜならペンを手に便箋やメッセージカードに向かっているその時間は、少なくともパートナーのことに思いを馳せているのですから。
手紙はオトナの嗜みです。どうせなら造りの良いペンか万年筆を片手に、大切な人のことを考えてみるのってちょっと素敵な時間だと思うのです。