冬のお勧め古典作品編
このところ急に寒くなってきましたが、それでも夜更かしをすることも多くあるでしょう。交際クラブ・デートクラブご利用の方に、冬の長い夜に夜更かしするときにおすすめの本をご紹介いたします。
今回は長らく読まれ続けてきた古典作品をご紹介いたします。
最近のものとは違って、小難しいもの、読みにくいものも多くありますが、50年、場合によっては100年以上読まれ続けている作品ですので、面白くないと感じた場合はまずは簡単な本から読み進め読書というものに慣れたらこちらの作品に手を出してみましょう。
一九八四年
ディストピア小説として恐らくもっとも有名な作品ではないでしょうか。
ビッグブラザーと呼ばれる独裁者によって思想までも監視される未来社会が描かれています。
これが書かれた20世紀はもちろん、そして現代までこの作品で描かれている超監視社会が来るのではないかとたびたび危惧されてきました。
恐ろしくもありながら、21世紀の現在にいたるまで非常に深い示唆を含んだ作品です。
いまだ表現の自由が危ぶまれることが多くあるいまの社会を考える手がかりになるかと思います。
素晴らしい新世界
一九八四年と並ぶくらい知られたディストピア作品です。
こちらは監視社会ではなく、高度に発達した遺伝子技術によって、生まれながらながらにあらゆることが決められてしまう社会を描かれています。
一見誰もが幸せなユートピアのように見える社会ですが、生まれながらに差別される階級が意図的に作られていて、物語が進むにつれ、そのおぞましさが見えてきます。
生まれながらに決められる社会を描きつつも、その裏では生まれたあとの環境ですべてが決められてしまうこともまた恐ろしいという示唆を含んでいます。
この作品が描かれた時代は1930年代で、ナチスの台頭とスターリンによる大粛清が行われていた時期でもあり、その双方の脅威が身近なものだったからこそ生まれた作品ではないかと思います。
シャーロック・ホームズシリーズ
世界でもっとも人気を集めている探偵、シャーロック・ホームズの活躍が描かれたシリーズです。
この作品が多くの人気を集めたからこそ、探偵小説というジャンルができたといってもいいくらいでしょう。
シャーロック・ホームズのシリーズは聖書に次ぐベストセラーとも言われています。
ポプラ社などから出ている子供向けのものを小さいころ読んだ覚えがある、という人も結構いるのではないでしょうか。
子供のころ、心躍らせて読んだホームズの探偵譚を大人になってから読み返してみれば、新たなものが得られるでしょう。
アクロイド殺し
ミステリーの女王、アガサ・クリスティーの名作ミステリです。そして誰もいなくなった、オリエント急行殺人事件と並んで有名な作品ではないでしょうか。
とある富豪、ロジャー・アクロイドが殺され、犯人になるような人物は誰もいない・・・古くよりこの作品はフェアなのかという論争がなされています。
どういった点が論争になったのかは作品における重大なネタバレになってしまうのでここで書きません。
ぜひとも、実際に読んで、どういうものなのかを確かめてください。
真相に納得する人も、納得いかない人もいると思いますが、ミステリーにおける歴史的な傑作なのは間違いありません。
映画にもなっておりますが、この作品を十全に楽しみたいのなら、やはり文字で読むべきでしょう。
海底二万里
後世のSF作家に大きな影響を与えたジュール・ヴェルヌの海洋冒険SFの傑作です。
海に出た怪生物の調査のために海に出たものの、その怪物に返り討ちにあって海に投げ出されたところ、巨大潜水艦ノーチラス号に助けられ、世界中の海の底を冒険する作品です。
まだ実用的な潜水艦が建造されるはるか前に、テクノロジー駆使して潜水艦を作るという当時としては荒唐無稽なものを圧倒的なリアリティで描かれたというのはまさに驚愕の一言に尽きます。
海に投げ出された船の乗組員を助けたネモ船長の謎など、SF、冒険小説としてだけでなく、ミステリーとしても楽しめます。
出版社、映像化作品などで「海底二万海里」「海底二万マイル」「海底二万リーグ」と微妙にタイトルが違っています。
おそらくいま一番手に入りやすい新潮文庫版は「海底二万里」というタイトルです。
まとめ
今回は古典作品をご紹介させていただきました。
できるだけ読みやすいものを選びましたが、それでも昔の作品は最近のものに比べて読みにくかったり、表現が小難しいことが多いです。
50年あるいは100年以上読まれ続けているわけですから、いつかは読むことをお勧めいたします。
もしかしたら面白いと感じないかもしれません。
最初に読んで面白くなかったから、それが面白くないものと決まったわけではありません。色々な作品を読んで、力をつけてから再び読んでみれば、何年も読み続けられている作品の深さを理解できるようになるかもしれません。