熟年の恋愛観
熟年には若い頃とは違った恋愛の形があります。
気持ちは若い頃と変わっていないといっても、人生経験をいやというほど積んできている熟年者にとって、人生はどうにも窮屈なものになっているのです。
そこには若者のときのような無鉄砲な行動は影を潜めてしまう自分がいます。そして、安全策をとってしまう自分に嫌気を感じる人もいるかもしれません。そんな、熟年の恋愛観というのはどういったものになっているのでしょうか。
人生経験が邪魔をする
血気盛んという言葉がお似合いの若い頃でしたが、その時代の恋愛は猪突猛進になりやすいのかもしれません。
好きな人ができたら、いても立ってもいられなくなって、まずは自分の存在をアピールし、さらに相手にはアタックあるのみというのが若さというものだったのです。
若いというのはときとして怖いもの知らずな面がありますから、失恋するのもおかまいなしに自分の気持ちをストレートに言える気持ちの強さを持っていると言えるのです。
一方で若いころとは違う、ある意味人生経験を積んできた年代ではどうでしょうか。出会いからいい感じの相手を見つけても、なかなか行動に移せない人が多いようです。
何も怖いものがなかった若いころと違って。人生経験を積んでくるといろいろなことが頭をよぎってしまい、考え過ぎることで行動に出せないのです。
自分のことだけを考えていたらよかった若いころですが、人生経験を積んでくるとそれが逆に足枷のようになってしまうのです。相手に対して迷惑にならないだろうか…相手に断られたら恥ずかしい…などいろいろなことが頭をよぎります。自分の軽はずみは行動で周りの人に迷惑をかけてしまわないだろうかなども考えてしまうと、それだけで行動に移せない自分がいることに気付いてしまうのです。
若いころとは違って熟慮に熟慮を重ねた行動が求められてしまうのは、それが落ち着いた大人の振る舞いと言えなくもありません。
闇雲に行動に移す若いころと、人生経験を積んだときの行動は違っていても当然です。
大人の振る舞い
ある程度の年齢になると恋愛に対して慎重になってくることでしょう。
若い頃はどのようなことに対しても、一生懸命にぶつかっていくことができたはずです。
それが年齢を重ねてくると、たとえ気持ちは若い時と何ら変わらないと思っていても、自分の取る行動にある程度の責任を持たなくてはいけないという思いから、どうしても恋愛に対して慎重にならざるをえなくなるのです。
ただただ、相手のことを好きでたまらないというだけでよかった若い頃と違って、同じような気持ちであっても、すぐにそういった行動に出ることはできません。
出会いから相手のことが好きという気持ちがあったとしても、その気持ちをすぐにストレートに出すことは難しいでしょう。
それは年齢とともに、ある程度の社会的地位が確立しているのであれば当然のことです。
失うものが少ない若い頃とは違って、年齢を重ねてくるとしがらみがあって行動に移すことができないのです。
自分の気持ちに素直になることができればどんなにいいかと思うのですが、失恋するのが怖いという気持ちもあって、どうしても一歩先を進めないのです。
断られたら、あきらめがつくのですが、それ以降も相手とのつきあいが続いていく状況なら、どうしても告白も慎重にならざるをえません。
これは若いときにはない、大人としての立ち振る舞いといえるでしょう。
いずれにしても告白となると慎重に行動しなくてはいけないということですね。
心の余裕が欲しい
若い頃とアラフォーあるいはそれ以上の年代では恋愛に対する考え方が違っても当然です。
年齢を重ねて、若いときと一つも気持ちは変わらないという人もいるでしょう。
しかし考え方というものは明らかに違ってきています。
性格というものは歳をとっても変わりはありません。
それでは恋愛に対する考え方というのは、これはやはり経験値の差が如実に表れてくるのです。
気持ち的に何も若いときと何も変わらないといっても、それなりに恋愛の経験を積んでくると、気持ちが変わらないまでも、経験値の差というものが如実に表れてきます。
もっとも、経験の積み重ねがほれほどでもないという人もいるでしょう。
それでも恋愛の経験だけが経験値ではないのです。
恋愛に対して、出会いと別れを繰り返してきたという人のほうが恋愛に対して経験値が高くなるのは当然のことでしょう。
若い頃はやはり恋愛に対する考え方がものすごく積極的です。
若い頃というのは好きな人ができたらその相手に対して一途に思いを伝えることができるのです。
遠くから眺めているだけでいいということはおそらくなかったのではないでしょうか。
それとは逆に人生の経験を積んでくると、そこでいくら好きな相手がいたとしても、一途ではなく遠くから相手を眺めることができます。
ひと言で言うと、それは心の余裕というものかもしれませんが、それが最も大きな違いと言ってもいいでしょう。
