冬のお勧めノンフィクション科学本
交際クラブ、デートクラブをご利用の方々に冬の長い夜に夜更かしするにあたっておすすめしたい本をいくつか紹介させていただきます。
今回はノンフィクション作品に焦点を当ててみたいと思います。
小説以上に自分の見識を広める、深い知識を得ることができるのがノンフィクション作品です。
その中でも読みやすくて面白いものを5作品挙げさせていただきました。
ホーキング、宇宙を語る
大学院生のときにASLという重大な障害を負いながらも、ケンブリッジ大学の理論物理学者として世界的に知られてるホーキング博士が一般の人々向けに書かれた宇宙についての作品です。
原著は30年前に発売されたもので、それ以後に観測機器の発達などによって宇宙について数多くの発見があったので古い点はいくつかあるかと思われますが、基礎的な部分に関してはほとんど変わっていないので、宇宙についての入門作品としてまったく問題はないと思います。
我々が生きている宇宙がいかに奇妙なものであるのかを知ることができる作品です。
アインシュタインの有名な方程式でもあるE=mc2以外には現代物理学、数学で使われるような小難しい数式はまったく出てこないので、数字が苦手・・・という人でも問題なく読めるのではないかと思います。
悪霊にさいなまれる世界
天文学者、SF作家としても知られる故カール・セーガン博士が現代にはびこるエセ科学の数々を暴きたて、それらにどういった特徴があるのかについて書かれた作品です。
これを読んで、それについてよく見られる特徴を知っておけば、最近見かけることが多い怪しい健康食品や民間療法の類に騙されて金をむしりとられるというようなことはなくなるでしょう。
最初のハードカバー版はカール・セーガン、科学と悪霊を語る、新潮文庫版は人はなぜエセ科学に騙されるのか、というタイトルになっていることに注意です。
紹介したタイトルは最新の版であるハヤカワ文庫版になります。この作品の発表後、著者のセーガン博士は亡くなってしまったため、版による大きな内容の変更はありませんが、アマゾンなどの古書店で購入する場合は気に留めておいてください。
銃・病原菌・鉄
人類の文明がどのように発展し、広がってきたのか、また地域によってその発展の度合いに大きな差が生まれたのは何故なのかについて、1万年以上にわたる人類文明の歴史と謎をダイナミックに描いた作品です。
歴史学、地理学、生物学など様々な学問の垣根を超えて人類文明の発展と拡大の謎に挑んだ、非常に知的好奇心をくすぐるものだと思われます。
ピューリッツァー賞を受賞し、日本でもゼロ年代の50冊に選ばれた作品ですので国内外で高い評価を受けています。
人工知能は人間を超えるか
東大の人工知能研究者である若手准教授が、いままでの人工知能がどのようなものであり、そしてこれから先の時代には人工知能がどのようになっていくのかについて論じた作品です。
人工知能の暴走による危機をよく耳にする現在、本当に人工知能は危険なのだろうかということを考える手がかりの一つになってくれるのではないかと思います。
また、いま話題のディープラーニングなど人工知能に関するテクノロジーに興味を持っている方には一読の価値のある作品です。
脳のなかの幽霊
カリフォルニア大学サンディエゴ校の神経科学者でもある著者が自身が診察した患者の診察を通じ、事故などで失ったはずの手足があるように感じてしまう幻肢などをはじめとした脳の認知機能のエラーによって起こる錯角現象のメカニズムについてわかりやすく解説した作品です。
人間の脳が持つ機能のすごさと同時にその奇妙さをよく知ることができます。
脳が起こす認知エラーを幽霊になぞらえたのはかなり上手な比喩ではないかと思います。
まとめ
今回はノンフィクション作品に焦点を当てて紹介をしてみました。
一応今回挙げた作品はすべて一般向けのもので、専門雑誌などで発表されている論文などよりは遥かに読みやすいはずですが、各分野に関する専門知識が含まれていることも多いため、小説以上に読むのは大変ではないかと思います。
ですが、それ以上に深い知識を得られるのがノンフィクション作品でもあります。
特に翻訳がされている海外ノンフィクション作品は質の高い作品が多いので、これ以外にも気になった作品があったのなら是非目を通してみるといいでしょう。
また、歴史に関する知識が深まれば歴史ものを、科学に関する知識が高まればSF作品をもっと楽しめるようになります。
それが浅いものであっても、知識というものはあって損をするということは決してありません。
知識が深まれば、見えてくるものもあったりします。
このような素晴らしいノンフィクション作品で知識を高め、交際クラブ、デートクラブの初セッティングで異性に好印象を持たれるような知的な男性、女性を目指すというのも悪くないはずです。